舞台の感想とか、そんな感じ

忘れたくないから始めたのに、気付いたら書くことすら忘れている

フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~@愛知県芸術劇場 大千穐楽

1/16(日) マチネ

 

噂がうわさを呼び、2021年のミュージカル集大成では?と言わせた北斗の拳

青空が広がる名古屋。大千穐楽日和とはこのこと。最近は曇りの日が多かったからとても青がまぶしかったです。

 

残念ながらこの日は仕事で一幕を見ることができず……愛と哀しみの荒野を超えて、愛知県芸術劇場に馳せ参じる!気持ちはさながらケンシロウを追いかけるリン。

「ケーーーーーン!!!!待ってて、私絶対行くから!!!!」

と心で叫んでいました(一番見たかったのは伊礼ジュウザだけど)。まさにYOUはSHOCK!!!状態だったわけです。

が、まさかの当日の早朝に仕事キャンセルで間に合いました。

 

余談はさておき、大千穐楽を飾るキャストはこちら

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緞帳が上がり川口リュウケンの死神のごとく、暗殺拳の言葉で背中が震えるほどの高揚感、思わず吊り上がってしまう口元。

キャストの皆さんも昨日より盛り上がりが激しい気がしました。

バットがトヨに母ちゃん!!声をかけるときに感情移入しすぎて泣いてしまいました。アニメだと「おばさん」だからすごくいい変更だなぁってずっと思っています。

 

そしてTLのみんながこぞってジュウザの女になって帰ってきているので気になっていた、伊礼ジュウザ。昨日の上原ジュウザを見た感じで、これアドリブだなと思っていたので楽しみで仕方ありませんでした。

そして開口一番「待った?」

「今日が最終日?最終日ってことはこれで最後?俺が話を変えちまえばいいんだ!」などと自由奔放すぎる伊礼ジュウザ。まさに雲のジュウザにふさわしい振舞い。それから名古屋飯を食べる機会がなかったのか、どうしても手羽先を食べて帰りたいし、ナナちゃんにも会いたい。とにかく名古屋を満喫したい伊礼ジュウザ最高すぎました。

そしてヴィーナスたちとの魅惑のダンス……腰つきもだいぶすごかったけど、緩やかなボディータッチはずるくないか?いや、エッロってなりました。控えめに言って最高。

そのあとのラオウを阻むために立ちふさがる姿。丸腰で拳王に挑んで、死にたいときに死を選ぶ。その生き方が格好いい。

自由に揺蕩う雲のような存在。たまらん。

死ぬから推すのか、推すから死ぬのか論争に躍り出てきました。好きです。北斗の拳で推しを選ぶならトキかジュウザですかね。(なおトキも……)

 

前回も書いた、兄弟の誓い。

百名青年トキのワイヤーが足に引っかかってしまって一瞬ヒヤッとしました。だけどなんとか脱出して普通に兄ちゃんが助けながら崖を登る姿にギュン!!!!となる心の臓。まさに「僕は大丈夫だから早く先に行ってよ!!」がこれほどしっくりくるなんて……いつもより多く叫びながら崖登りますって感じ。めっちゃ泣いた。回想だから加藤トキが過去を思い出しながら歌っているのしんどい。

前日のお写真で、腕ふっと!これは全然病に倒れそうにないって思うのに舞台に立つと誰よりも折れそうで死にそうな体つきをしている加藤トキに圧巻でした。

本当に役者さんてすごい……

 

そして気づいたら福井ラオウの右手に赤いものが。

どこかでお怪我をされたのかもしれない。舞台から姿を消して次出てきたときは見えなかったから、気のせいかと思ったんですけど、握りこぶしを作ると血がにじみ出てきて、なんとも筆舌しがたい気持ちになりました。この血すら計算されたもののように思えるくらい、圧倒的なまでの力と思いですべてをねじ伏せようとする姿がもはや、ラオウそのもので愛や悲しみを知ることが最期の瞬間になるまで理解できなかったのがとてもつらく思えました。

そして満足したように「わが人生に一片の悔いなし」

その言葉通りの演技だったと思います。天に召される福井ラオウは完璧なラオウでした。

また会いたくてたまらないです。

 

 

帰り道にふわふわ歩いてしまうくらいの作品に出あったのはレミゼ以来です。

楽しかったなぁってなる作品は多くても、頭にこびりついて、何度でも見たいと思える作品に出あえたことに感謝。

こんな思いをするなら配信買えばよかったなどと思う今日のこの頃。

中国公演も2022年にあるみたいなので、無事に開催される事、そしてその時に円盤の発売決定が報告されることを心よりお祈りしております!!!

北斗の拳 さいこーーーーーーー!!!!!!!

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フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜@愛知県芸術劇場

1/15(土)  ソワレ

 

2022年、観劇初めです。場所は地元名古屋。

ここに足を運ぶのおおよそ1年ぶりだったと思います。

 

TLのみんなが次々に堕ちていくのを見て、なんと中毒性のある内容なのだろうかと戦々恐々していました。

今回のキャストはこちら

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うまく行けば全キャストいけるかなって思っていたけど、小野田トキが東京のみ、リン役の近藤華さんが大阪までだったそうで残念でした。あと都合上、宮尾ラオウ観れずで泣いた。

 

今回の課題図書は諦めました。その代わりアニメで。FODを使いました。

しかしTwitterで散々言ってきたのに、まさかの最後まで見れず!!ついでに課金になってしまった。今頑張って見ています(22年1月現在)

サザンクロスにもたどり着けないままの観劇となり、話について行けるか心配でしたが、なんのその。

ワイルドホーン氏の音楽に導かれるまま心で感じ入りました。

 

何度もPVだけは見直していたのでM0序曲〜M1宿命で既に泣きそう。

川口リュウケンの腹にくる素晴らしい歌声と悠然とした身のこなし。

そしてラオウ・トキ・ケンシロウの力強さ。ここでもう神かと心に思っていました。

 

今回のお目当て。伊礼レイめっちゃかっこよかったです。

マミヤと談笑しているとき何を話していたんだろう?空?を指差していたから星とかの話をしてたんたんたんだろうか?マミヤにそっと手を伸ばして結局触れないのがなんとももどかしい。思いを告げられないレイがしんどかった。

歌唱披露の時点でネタバレ食らって、彼に死が訪れることは知ってはいたけど、壮絶なまでの痛みを押してマミヤ、ケンシロウたちに生きる場所を探してくれていたのでもう無理。

願いを託してで泣いた。

レイ、なんで死んでまうん?

 

そしてリンの絶対に屈しない。屈するくらいなら死んだ方がマシと言わせる圧巻の歌。

リンの純粋に悪に立ち向かおうとする心が村の住人を動かして人間として生きようとする必死さがたまらない。

アンサンブルをただのモブとして扱うのではなく、その世界で生きた住人であることを強く感じました。聞けば全員に住人の履歴書を作っていたらしいですね。一人ひとりに見えないけれど確実なバックボーンがあるのが更なる深みを与えているのだと思いました。

 

待っていた二幕。

歌唱披露の時から一番好きだ、と思った曲があるんです。

兄弟の誓い

これは初めて聴いた瞬間に心臓が締め付けられるくらいに心を持っていかれてました。

一色青年ラオウの、トキと一緒じゃなければここで生きる意味がないという思いが、とても伝わってくるし、百名青年トキも、僕は大丈夫だから、兄ちゃんは先に行ってくれ!と叫んでいるのに深い兄弟愛が伝わる。そして道を違ったら止めるという誓い。そしてその時が来てしまった。流れがもう完璧。

 

ここから先はあっという間に時間が過ぎてしまって記憶がうっすら。

バットがケンシロウを見送る時、涙を見せないために、弱い自分を見せないためにゴーグルを付けて見送るシーンには、バットの覚悟と弱さを認めて強くなろうとする気持ちが伝わってきます。強くなったな、バット。

 

シンとケンシロウの戦い。自分と同じ女に惚れた男との正々堂々とした戦い。一つも手加減することなく、シンのユリアへの深い愛をしっかりと受け止めて、最後にラオウに立ち向かう姿が印象に残っています。

そしてラオウとの最後の戦い。悲しみを知らないラオウと、いろんなものを失って悲しみを知ったケンシロウ。拳王であるラオウを倒した顔を見せてくれ。と弟のケンシロウに言う姿が彼も人間だったのだと思い知らされました。

「わが人生に一片の悔いなし」

この言葉、聞いたことをあって、ラオウが死に際に言う言葉だっていう知識はあったけれど、あんなに清々しい気持ちで言うんだ、と体中が震えました。

 

そしてアフタートーク

ケンシロウ、トキ、ラオウの三兄弟が舞台上に。

大貫ケンシロウと加藤トキは普通に座ったけど、福井ラオウは長椅子。

この時点で会場に笑いが起きていました。確かに膝の装備を見ると容易には座れそうにないよね。一番笑ったのが、ラオウのマチソワは無理!という切実に訴え。

3時間超えの超大作、時間が過ぎるの早すぎます。楽しかった!

あと今回は2列目という今までで圧倒的なまでの良席で最高でした。指揮の塩田さんの頭がひょこひょこ出ては消え、手拍子をして客席を盛り上げてくれて見てて最高でした。

OLIVER!@梅田芸術劇場

12/11(土) ソワレ

 

2019年共に砦で戦った二人が同じ舞台に立ったこの作品。

臣くんと佑玖くん。

まさか同じ舞台に相棒としてこんなに早く立つとは思いもよりませんでした。

本当は東京に行って観劇したかったのですが、なかなかこの二人の時、というのが少なくて結局さいごになってしまいました。

が、まさかの臣くん出演辞退!

中学生ですもんね、声変わりの時期ですから……体調が悪くて……とかだと心配しかないのですが、子どもの成長の早いこと。フランケンシュタインぶりなのでインタビュー動画やWOWOWで放送されたオリバー特集を見ているとすごく大人になったな、と感動すらしてしまいます。

そんなこんなで、当日はドジャーはキャスト変更。こちらになりました。

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本当にオリバーとドジャーでしか日にちを決めてなかったので、他に誰が出るかなんて当日になるまで全く覚えてすらいませんでした。今回は若手大集合組でした。

実はオリバー、映画見たことないです。予習する時間もあんまりありませんでした。なんとか捻出したかったのですが無理でした。無念。

 

とにかく幕が上がってから子どもがたくさん。最年少で6歳だそうです。歌い踊りながら舞台の上を縦横無尽に駆け回るのはとても新鮮でした。そして何よりも子どものソプラノがとてもかわいい。

佑玖くんのソプラノは特に圧巻で、「愛はどこなの」ではお母さんを求めるオリバーの感情が強く刺さります。あのキラキラした目でこちらを向かれると、庇護してあげなければという気持ちにさせる純粋すぎるオリバー。

ドジャーはそんなオリバーの兄貴分的な存在。フェイギンの一味の中でもリーダー的存在でダンスパートが多くてとても大変そうでした。オリバーと出会った時のドジャーの紳士さはとても様になっていてかっこよかったです。

 

一番笑わされたのが武田さん演じるフェイギンです。スリで集めた彼の宝物。それを一つ一つ手に取って愛でる彼の姿がとても印象的でした。特に金メダルを手にしたときに、「かわいい金メダルちゃん」「でも俺はどこかの市長とは違って噛まないぜ」でもう笑うしかないです。こんなところで時事ネタというか、某市長のことが出てくるなんて。不意打ちにもほどがあります。思わず噛んだ時の姿がフラッシュバックするくらいには。

ソニンさん演じるナンシー、そして恐ろしいビルを演じたspiさん。彼らの関係性は歪だったかもしれないけれど、確かに二人は二人にしかわかりえない愛があったのだと信じています。

そしてTwitterで犬がいるのは知っていましたが、本当に舞台上で動物が出てくる作品を見るのは初めてで、出てきた瞬間二度見をしてしまうほど。トウファ可愛い。彼?彼女?もちゃんとカンパニーの一員でキャスボに名前が載っているのがとても素敵だなぁとおもいました。

 

オリバー、予習していればもっと楽しめたかもしれないのが悔やまれます。普段も浅いですが、いつも以上に薄っぺらい言葉でしか感想が書けない。

今回の再演は約30年ぶりでした。しかしこうやって子供が活躍する場が増えているのがとてもうれしいです。ビリーエリオットだったり、スクールオブロックだったり。オリバーも再演を期待しています。

Les Misérables @まつもと市民芸術館 大千穐楽

10/4(月) マチネ

 

晴れの日

太陽が燦燦と輝き天気に恵まれた、とても素敵な一日。

レ・ミゼラブル2021 大千秋楽にふさわしい日でした。

 

大千秋楽を飾るキャストはこちらです。

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この日は3歳の頃からの幼馴染がレミゼデビューを飾るとても記念すべき日でもありました。初めてが大千秋楽とはなんと贅沢な奴め。私が2019年にミュージカルハマった、と報告するとレミゼ観てみたいんだけど一人で行くのが不安だから、と言われてチケットを取りました。もちろん彼方社長名義です。10列目、初めての人を連れていくにはかなりの良席。手には新調したアトレック。締めくくるには万全の体制です。

アトレックの性能が良すぎてびっくりです。なんでも見える!暗転した時の動き見えるのすごい……

 

 

感想はとにかくよかった、よすぎて何も覚えていられなかった。感動が脳のキャパシティーを超えてしまってほとんどが抜け落ちている、というのが素直な感想です。

過去の自分のツイートを振り返ると、俺がスパイをすると名乗り出て舞台を去る時に計画通りってニヤッと笑う伊礼ジャベール。そしてそのあとをガブローシュがこっそりつけているのを初めて見つけたらしいです。あの時いつも学生しか見ていなかったから(おそらく)花道に目が向いていなかったので、どんだけ千秋楽だからと伊礼ジャベ追っかけてるんだって話です。

そして相葉アンジョの「自由をーーーー!!!!」

この日はみんなすごい熱量を最初から感じていましたが、アンジョの自由をが絶唱という言葉しか見つからないくらいにすごかった。命を懸けて愛する祖国に自由を。いつもは発光している相葉アンジョがついに人間界に降りてきて人間になったのかと思いました。あんなに命がけの「自由」を叫ぶ姿で涙腺決壊。

 

レミゼはストーリーや歌もさることながら、個人的にすごいお気に入りの部分があるんです。それが自殺、なんですけど。

あの日、ジャベールはバルジャンの心に触れて、罪人全てが悪い人間ではないことを知り、今まで自分が信じてきた正義というものを根底から覆されるどころか、破壊されてしまうわけです。スターズで星という刑事たちに誓って絶対にバルジャンを許すな、と追い続けてきた彼を自らの手で逃がす選択をします。その結果、星(刑事たち)が凍る=息ができない(死)となると個人的に読み解いています。

「先も見えない 星さえ凍る」

この星さえ凍る、の一瞬の間で本当に星が凍る音がしているんです。これが本当に好き。おそらくウィンド・チャイムだと思うですけど(多分違う)この小さい音がジャベールの世界を凍らせて死に行く背後に思えてとてもゾクゾクします。

 

終演後のカテコあいさつの後にキャスト全員での民衆の歌演出がとても涙が止まらないオタクの心に突き刺さりました。最後にもう一泣きさせるとは。こちらはありがたいことにYouTubeに上がっているので、ぜひご覧ください。

いつも大千秋楽の日に次公演の発表がありますが、今年はなかったので次は一体いつになるのだろうか……こんなにも次のレミゼが決まっていない、という事実がしんどいです。

レ・ミゼラブル2021 本当にありがとう。

 

 

2021年 レ・ミゼラブルは大阪公演が中止にならなければ子役を除いた全キャストが見ることができたのでないかなぁと思いました。ほとんどの席がS席でとてもありがたかったのですが、金銭的に多大なダメージを受けたので、次は財布にやさしくいきたいです。

リベンジ大阪!フェスティバルホールから見える景色がセーヌ川に似ている云々の話を思い出していたので期待していたのですが行けなくて残念だったのでフェスティバルホール行きたいのと、17000円のお高い席で観劇することが叶わなかったので、次こそ……頼むぞ……

Les Misérables @まつもと市民芸術館

10/3(日) マチネ

 

8/22〜8/28までの博多座公演、そして大阪全公演中止というかつてない大きな壁にぶち当たって始まった最終公演地、松本公演。

この青春を過ごした長野の地にレミゼカンパニーがやってくるのは、実に12年ぶりだそうです。場所も変わらずまつもと市民芸術館。12年前というと、ミュージカルに興味のないただの学生だった自分を思い出します。

そんな思い出の地でレミゼという作品を観られることにまずは感謝。

 

レミゼを最後に見たのは東京千秋楽。予定では大阪公演に3回足を運んで、全キャスト網羅できるなぁとか考えていたのが懐かしいです。実に2ヶ月ぶりのレミゼです。

今回のキャストはご覧の通り。

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福井晶一さんがバルジャンとして出演予定でしたが、佐藤隆紀さんに変更ということで今季2回目のシュガバルでございました。

19年では年齢差の問題で組み合わせがなかった佐藤、川口での観劇が今回はお見送りしたつもりが図らずとも叶ってしまった。

 

緞帳が上がってホール全体に響き渡るアンサンブルの声、これを身体が求めていた……。

前情報でオフマイクが4階でも聴こえる、と耳にしていたので耳に全集中、一音も聞き漏らすまいと必死でした。

そして独白の時のシュガバルの迫力といったら。

この舞台に立てなかった福井さんの魂も背負って、心の底から叫ばんかぎりの大迫力、高らかに叫び歌いあげて、バルジャンは生まれ変わったのだ。

前年のシュガバルはいい所出の心優しいバルジャン、というイメージが一気に覆されるそんな瞬間を目の当たりにして息を飲むしかできず、割れんばかりの拍手。とにかく冒頭15分で涙が溢れて止まりません。

そのまま話は進行し、夢破れてへ。

二宮ファンテはペンダントに軽くキスをして「待ち続けてるわ あの人の帰りを」と歌を続けます。本来の歌詞では「愚かな幻」だと思うのですが、私の耳には「愚かな過ち」に聞こえました。気のせいでかしら。

 

テナイン、樹里さんがパンを切りたいとおしゃっていたのを知っていたので、今回はパンを切れるのかな?とドキドキしていました。口先ばかりのイン⚪︎はパンがいい風に表現されていていつでも笑ってしまいます。切れる小道具ではないので、今回はパン切り成功ならずで残念でした……あれを切れるお二方はほんとうにすごい……。

バルジャンがコゼットを連れて戻って来た時に香水振り撒いて臭いとジェスチャーされていたり、バルジャンを誘惑するために綺麗な御御足を見せるのも常に面白い。とにかく笑いが絶えないテナイン、大好きです。

 

ベガーでは小野田アンジョの髪がふわっふわでびっくりしました!2ヶ月でこんなに変わるのか……。竹内マリウスが唯月エポに本で頭ポンして、その本を奪ってお返しに見くびらないでよ、と笑いながら頭ポンポンしていたのがとても可愛かったです。その後にエポニーヌは本を投げるのですが、人によって投げ捨て方が違うのを今回はしっかり確認することができました。そしてコゼットと出会い、エポニーヌにあの娘を探して、と優しい声で頼む、その姿に傷付くエポニーヌの顔が忘れられません。

この時にアンジョが「マリウス」と早く行くぞと声をかける声がとても優しいこと……。

 

ジャベールのスターズ。とにかく川口ジャベールの目がキラキラしていて必ずバルジャンを牢獄へ突き落とすのだ、そんな意思が強く感じられるある種の宗教的な歌。「スター、星たちは」のところがとにかく声が優しくて、星が本当に彼の味方についているのでは、と感じられる瞬間でした。

それも束の間、唯月エポの「ドジ」。これはもう安定のかわいさ、滑って転ぶを彷彿させるようなポーズがとにかくいい。ジャベールは真面目に正面の事象しかとらえずポカをやる人間に見えてくる。

 

ABCカフェでは学生たちの革命への士気がとても高まっていました。アンジョの声に呼応して「命は平等だ」「世界は俺たちが変えるんだ」

と合いの手がよく聞こえてもう泣きそう。

今回の酒瓶キャッチは失敗していましたね。何やってんだ〜みたいな感じで彼らの仲の良さが伝わってきます。

 

彩春コゼットと邂逅する竹内マリウス。緊張してコートの掴んで、隠しきれない嬉しさを覗かせる。とても初々しかったです。何を話すにもコートを掴んで、手汗が出ているのかすごく意識していました。そりゃ一目惚れの可愛い子に会うんだから手汗めちゃめちゃかくわな!

そしてODMへ。

なんかもうもっと色々覚えていたはずなのに、ここで一気に記憶が飛んでしまう。いつ見たって好き。この日は4階席、どセンター。上からエポとマリウスが駆け抜けてくるところ、グランがガブを肩車する姿、プルベールが旗を持って振るのかがよく見えました。とても貴重な体験でした。

 

ここで話の途中ですが、書く気力が切れてしまい12/30に感想を書いています……

 

二幕冒頭、丹宗グランと町田バベ学生が腕を伸ばして挙手合戦をしているのがとてもほっこり。俺が敵の様子を見てくると張り合っているようで一瞬の休息(休息とは)

BHHは個人的にいつも司教様の教えを信じて心に刻んで生きてきたバルジャンがマリウスの静かな告白を耳にしてコゼットを手放しす勇気をもって、ただでさえ聖人として生まれ変わって生きてきた彼が、さらに神に近しい存在になるイメージを持っていました。しかしこの日は真逆でバルジャンはちゃんと人間で、地に足の着いた親でコゼットを自分のエゴで閉じ込めるのではなく解放してあげなければならない。うまく言語化することができないけれど人間なのだ、ということを強く意識させられたのを覚えています。

 

 

これしか記憶にないのです。本当に。

この日、シュガーさんのカテコあいさつが血を吐くような本当に心をえぐるような内容で涙があふれて止まらなかった。このあいさつは絶対に忘れてはならない、それくらいの内容でした。

「僕は去年、取材でよく、ある質問をされました。

"あなたの人生に、衣食住と同じくらい、この演劇は、ミュージカルは必要なものですか?"

僕はこの質問をされる度に、何か悲しい気持ちになったんです。本来この質問は、僕たちが皆さんにしたい質問だからです。…皆さんに…皆さんの人生にとって、このミュージカルは、演劇は、舞台は、衣食住と同じくらい必要なものであるのか? そう思ってもらえるような舞台を僕たちは、届けていけているのか?

…そう思ってもらうために、僕たちはこうして、自分と向き合い、仲間と向き合い、切磋琢磨し合いながら高めていこうと思っていられるんです。

この舞台を観て、皆さんの人生にとってミュージカルが、舞台が、ステージが、衣食住と同じくらい必要なものだと思ってもらえたら幸せです」

詳しくはムラタさんの公式ブログでお読みください。

Les Misérables @帝国劇場 東京千秋楽

7/26(月) マチネ 東京千秋楽

 

東京千秋楽。非常に運がよくてまさかキャスト先行でチケットを手に入れられたので一か月半ぶりに東京へ向かいました。熱海で土石流の被災現場をちらっと見つつ、様々な心持ちの中での東京入り。

当日のキャストはこんな感じでした。f:id:Seto_les:20211003164133j:image

濱田さんは東京のみの参加の為、子役以外のキャスト全員を見ようと思ったらここを逃したらもうなかったので見られてよかったです。

そして肝心の席ですが、どの演目でもなぜだか基本的にセンターから上手側にご縁があるのですが、今回はありがたいことに下手側。裁判の時のジャベールのお顔がよく見えること……!

15分のプロローグ。「ジャン・バルジャンは死んで 生まれ変わるのだ」この光夫バルジャンの叫びで割れんばかりの拍手。無事に東京公演を誰一人として欠けることなく、無事に完走するんだ、そう会場内が一体となっている気がしました。

独白の時、光夫バルジャンが手に持った燭台にキスをするのが、生まれ変わる意志を、神は私にチャンスを下さったのだ、という風に感じさせます。

ファンテーヌの死では超下手側でないと見えないと言われている、バルジャンのお顔を拝見できました。コゼットを必ず守り抜くと誓って、そして伊礼ジャベールが現れたときに薄く笑うように見えました。照明の加減かもしれないけれど、来たな、って感じで。

今回はベガーでアンサンブルを追いかけていました。ジャベールが蛆虫言いに来る前に本を女性と呼んでいて字の読み方を教わっているのかな~?今まで気づけなかったことに一つでも気づける瞬間がとても楽しい……!そして柴原モンパルナスがめっちゃかっこいいんだよなぁ。存在感かなりあるし登場したら絶対そっちに目が行ってしまう。

そしてスターズの伊礼ジャベール。星の刑事たちに誓うときの見返り美人がすごい。そして彫が深いから照明で暗く見えるのめっちゃ好き。私はスターズで伊礼彼方という存在が大好きになったといっても過言ではない。

そしてABCカフェ。マリウスの恋を理解っている相葉アンジョ。酒瓶キャッチは2回とも見れずじまい。ラマルク将軍が死んだ後、彼は死を悼んでいて悔しく感じている、そしてこの愛する母国に自由をもたらさねばならないという使命感に燃える姿がとても素敵です。蛇足ですがちょうど東京五輪の選手入場の旗振りをみていたからか、プルヴェールの旗振りのきれいさがとても印象に残っています。旗を全面にきれいに見せる彼らの技術のすごさ半端ない。

学生たちの砦は常につらい。倒れたガブローシュを抱えてグランに渡す姿がもう常に宗教画。辛すぎていつも泣いている。悲しくて記憶がもうない。

 

最後に一つ。光夫バルジャンの最初の燭台にキスをするのも好きですが、もう一点。コゼットの鼻を小突くというか、触るのが好きだなぁって。心理的に鼻って本当に愛おしくて大切な人にしか触らないと思うんです。だから光夫バルジャンは人生をかけて守ると誓ったコゼットに、愛するマリウスと幸せになってほしい、この大切で愛おしい存在が目の前にいるのを確かに感じたくて触れていたのだと思うと涙があふれて止まらない。特に「私は父じゃない」と言うときも触れていてとても愛に溢れている瞬間でした。

 

Les Misérables @帝国劇場

6/3(木) マチネ

 

この日は人生最良の誕生日でした。初めて帝国劇場という神聖な場所に足を運べる。そしてキャストは一番大好きな伊礼ジャベール。相葉アンジョルラス。

この日を最良と呼ばないでいつ呼ぶのか、そんな最高の時間をありがとう。

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日比谷界隈は昨年の2月に日生劇場へ行ったきり。場所だけはちゃんと予習して朝から新幹線に乗りました。午前中は日比谷シャンテと日比谷ミッドタウンで、レミゼコラボキャンペーンを回り、お昼ごはんに『革命前夜 民衆の士気を高めるうな重セット』で無事に士気を高めて参りました。その前にもちょくちょく食べていたので少し多かったのですが……f:id:Seto_les:20210604142811j:image

そして初めて帝国劇場へ。この日は彼方社長のチケットで入場させていただきました。

当日のキャストはこちら

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前から4列目。こんなに近い位置でレミゼを見るのは初めてです。

そわそわしながら始まりを待って、そして緞帳が上がる。

「やつをここに呼べ 24653」

この一言で張りつめていた私の涙腺は決壊です。本当にこの日を待っていた。本当に幕が上がるのか、不安で仕方なかった私の心はこの伊礼ジャベールの言葉で歓喜へと変わり、夢にまで見ていた天国、まさに「主の国」へ旅立つことができたのです。

周りの人はギョっとしたことでしょう。泣く場面ではなくね?って感じです。

正直なところもう記憶がうっすらしすぎているのですが、伊礼ジャベ、フンフン言っててかわいいofかわいい。裁判の時の正体をばらしたバルジャンに心が追いつくまでがとてもツボです。え、まさか、そんなこと、そんなことあってたまるか、このバルジャン(フンスフンス)までの流れ、ほんとたまらん。そして少し対決のときの鎖の鳴らし方が小鹿なんだよなぁ……記憶では(19年博多座)上原理央ジャベが戦闘力高いし、強すぎて背筋が伸びるくらい怖かったから小鹿に感じてしまった。

恵みの雨後に意気消沈して、ガブから受け取ったベレー帽を持ったまま動けない内藤マリウスに、丹宗グランが気持ちの整理がつくまで隣で連れ添ってあげているのがとても好きです。ガブローシュにも心配するなって抱きしめて、それに答えるように抱きしめ返しているのもとても堪らなかったです。そして毎度のごとく思うのですが、BHHでのグランの父性がカンストしすぎていてほんと大好き。きみ、ただの飲んだくれじゃぁないのか!って言いたくなる。

そして相葉アンジョが記憶の中では「自由を→」だったのが「自由を↑」になっていることに驚きました。個人的に上に上がるほうが全体の士気が高まるし、いくぞ!って気分になるのでこれは本当に顔が放送事故レベルでニチャっていました。ずるいんだよなぁ、かっこよすぎる。

 

とにかく人生最良の誕生日、こんなに楽しい時間を過ごすことができてとても最高でした。