初観劇した日
3月某日
「チケット取るの得意だよね?」
母のこの一言が人生を変えた。
母は32年前の初演、鹿賀さんのバルジャンを見た記憶があると言う。そしてその時のワンデイモアが頭に残っていて、名古屋に引っ越してきたし比較的近い御園座でやるなら観たいなぁと、私に持ちかけてきたというのがきっかけだった。人生で初めてミュージカルというものを見るに至る。
予習も何も前日になるまで観劇の予定をすっかり忘れていた。とりあえず今年のプロモーションをYouTube https://youtu.be/Tr1UWNQIbDA で見ておく。ただそれだけ。当時に戻れるのなら、なぜそこでオタクを発揮しない!と頭をすっ叩きたい。
6/22(土) ソワレ
ひたすら歌、歌、歌。ほとんど何も覚えていない、アンジョルラスって人がリーダーだなってうっすらと覚えている程度。観劇時、エポニーヌの名前が覚えられなくて、エボニーヌ??名前〜〜ってなっていた。展開も時間軸が変わったな?程度でしかわからない。とにかくオーケストラと歌の迫力に圧倒されていた。淫売とかアバズレとかめっちゃストレート。びっくり、そういう言葉もバンバン出てくる出てくる。一番後ろの席だったから舞台上で何かが起こったな(何やってんだ?)状態。初観劇するなら二階の前方からの方がいいかもしれない。
対決のシーンでジャベールが鎖で攻撃するのだが音の大きさにビビる。普通に怖い、けどバルジャンの体一つで対峙するのにもっとビビる。
観劇当時はテナインのところが一番面白く感じた。ふふふって笑ってた。テナルディエが担ぎ上げられるところが楽しそうだった。あと、コゼットの名前を間違えるところ。テナインからベガの流れが付いて行けなくて、なんでテナルディエいるんだろう?ってなっていた。
スターで伊礼彼方さんの歌声がすごくて思わず背筋を伸ばした。歌っているのか、セリフを言っているのか、わからなくなるくらいに衝撃を受ける。顔は遠くてわからなかったし、後ろ向いたりで、やはり何をしているのかが理解できなかったけれどとにかく圧倒された。
ワンデイモアは全員揃ってクライマックス!って感じ、ここで休憩か。いや、ここで休憩の方が心休まる。あと状況整理ができる。母に質問してた。(母は当日の午前中に映画で予習済み)とにかく頭の中いっぱいいっぱい。
恵みの雨でエポニーヌがムッシュマリウス、というけれどムッシュとは?後日調べるに至る。ガブローシュのくだりは息を飲んでしまった。あんな子供まで……。ガブローシュとアンジョルラスにスポットが当たって、これが戦か、と悲しくなる。砦が落とされたところで少し涙ぐんだ。それでも言われていた感動までは遠かった。けど銃声とともに倒れていく革命家たちが印象に残った。なんで死んでしまったのだろう。
ジャベールの自殺とバルジャンの独白が同じメロディに気付く。思い返せば他の曲でも同じメロディ使ってるのあったな〜って思い出す。
コゼットから身を隠したバルジャンの元にコゼットとマリウスがやってきて、パパまだ死ぬのは早いわ。って言葉で涙が出てきた。迎えにくるファンテーヌとエポニーヌ、すごい綺麗だった。そして後ろに現れる散っていった学生たち。ジャンバルジャンの物語は最高に幸せに満ち溢れていたものだった、と涙が溢れ出て止まらない。
スタンディングオベーション。カテコが全部で3回あったと思う。とにかくみんなが笑顔で、リトルコゼット、エポニーヌがバルジャンに抱きつきにいったのが可愛かった。可愛かった。そして興奮止まず家に帰ってからそのまま映画を観るのであった。(就寝25時)