スリルミー@ウインクあいち
この作品との出会いは忘れもしません。
フォロワーさんとお会いする機会があり、「伊礼さんが好きなら……」とCDをお借りしたのが2年前。その日はSOML初演大千秋楽の日でした。
2人ミュージカル。しかし内容は雲泥万里、雪と墨。そんな風に感じるほど暗くて沈み込む不協和音。思わずほのかに口が歪む、ピアノの音に歓喜したのを思い出します。
待ち望んでいたこの作品とやっと相まみえることができました。2年前初めて聴いた、「私」と「彼」と一台のピアノが織りなす衝撃の事件。
CDは何回も聴きこみ、空で歌えるようになっています。元となった事件についても概要を熟読しつつ会場へ向かいました。
5/15(土) ソワレ
名古屋公演初日はマチネもソワレもこちらのお二人。
19年の時、二人は常人には理解できないゲームをしている(意訳)という感想が印象的だったのを思い出します。
あまりにも異次元、と聞いていて居ても立っても居られず感想を調べつつ、アプローチがほかのペアと違うということを知り非常にワクワクしていました。
始まるピアノのプロローグ。静かになったかと思いきや、いつの間にか舞台のセンターにいる53歳の成河私。あの日のことを昔話をするかのように静かに彼との思い出を話し始める姿にドキドキが止まりません。そして暗転明けの若返り様が半端ない。年齢をどこに置いてきた?
バードウォッチングをする成河私に気付かれないように静かに見計らって驚かす福士彼。いや、福士彼美しすぎないか?なんなん?あと煙草に火をつけて吹かす仕草。横顔のシルエット。完成された絵画かなんかかと思いました。美丈夫とはまさにこのこと……。
優しい炎では後ろから抱きしめて手を放すのが、彼らのテーマである「資本主義の病」。抑圧からの解放を表しているようにしか見えませんでした。
そして、このお二人にしかない言葉選びが背筋をゾクゾクさせて仕方がない。
5/16(日) マチネ
他の2チームよりも圧倒的に年齢が若いお二人。
事件の当事者たちとも年齢が近く、あふれ出る若さと衝動がとても強く感じました。
3ペアの中で一番素直に観られたのがこのペアです。
設定に年齢が近くテーマの「生の暴走」が痛いくらいに伝わってきました。彼のニーチェの超人思考に毒される感じなどの「厨二病感」というのは、やはり未成年に近ければ近いほどリアルに感じます。
そういえば、山崎彼は松岡私の扱いがあまり雑ではないんだなぁと感じていました。一緒に何かを成し遂げることが楽しいと感じている?なんというかポスターのキャッチフレーズの「君が必要だ」にぴったり合っているお二人でした。
そして個人的に身長差がとても好みすぎる。山崎彼は181センチ。対して松岡私は165センチ。実に16センチ。どうしても庇護対象になってしまうのは仕方なしでは?
後日、松岡くんのラジオに山崎くんがお邪魔しているのを聞いたのですが、松岡くんとても聡明なのね……!それに比べて山崎君ののんびり感がとてもギャップがあって可愛くて仕方がない。本人の舞台では見えない顔を知るとまた面白い。
5/16(日) ソワレ
この二人が見たかった。大本命、初演ペア。
なんで愛知公演はこの一回きりなんだ、と涙したくらいです。万里生さんのブログで二人の仲の良さがかわいいです。
とにかく圧倒的なまでの色気と声量がすごい。どう考えても事件の被害者は二人の秘め事をのぞき見している我々観客では……?田代私の喜怒哀楽の激しさや、嫉妬心。そして彼に対する執着心の強さがとにかくすごい。対する新納彼のクールで大人。自信家で、田代私の愛を受け止めているような印象でした。
今回、スリルミーに関してはほとんど他の感想を仕入れることなく過ごしてきたので、田代私に完全にしてやられました。あと、バードウォッチングしているとき絶対目が合った。みんな思っているけど!オドロキポイントいくつかあるのですが、まずは服の脱ぎ方。いやいや、サスペンダーを肩から脱ぐ色気はずるくないか?手を使って下ろすのでなく肩って……!そして新納彼の衝撃の耳舐め。事前になにも入れなさすぎて色仕掛けで田代私を操ろうとするそれに驚きすぎてギョっとしてしまった……まさに「究極の愛」
そして私は上手側だったので全然わからなかったのですが、マッチがBULYのマッチだったんですってね?マッチ棒の先端が青いのも作品に合っていてとても良き。
このマッチの存在を知って素早く購入しました。次の日には売り切れになっていました。やったね!最近調べたらパッケージが変更になっていたし、相も変わらず在庫切れ状態らしくて、買ったマッチは大切に使わせていただいています。
最後に大千秋楽の日に配信が決まったことがお知らせされてとても最高な2日間でした。配信ももちろん買わせていただきました。韓国ミュージカル、個人的にはとても相性がいいと思っているので、ほかの作品もご縁があったら楽しみたいと思います。
パレード@愛知県芸術劇場
2/14(日) マチネ
スネアドラムが鳴り響く劇場
打楽器を、特にスネアドラムを10年叩いてきた私にとって、こんなに重いスネアドラムは初めてでした。どちらかというと、ファンファーレのように希望に音を乗せることが多いスネアが、まさか地獄へ行進とは思いもよらない。
1913年にアトランタで実際に起きた冤罪事件を元にした作品。
しばらくはスネアドラムの音が怖くなるとフォロワーさんたちに言わしめたこの作品。絶望しかないと言われて静かにチケットを購入しました。キャスト陣を見るだけで、声に殴られるんだろうなぁとは思っていましたが、始まりからぶん殴られて吹っ飛ばされてたと思います。
南北戦争の追悼記念パレードで紙吹雪が舞ってそれがずっと舞台の上に残り続けているのが、フランクを犯人にしたてて罪を着せようとする同調的な何かを感じて前を見るだけで苦しかったです。降り積もって何かを隠そうしているのを如実に感じてしまう。
裁判のシーンでの坂元健児さん演じるコンリーの声や言い回し、すべてに何となく説得力を感じて同調していく感じがとても怖かった、あらがえない波みたいな、なにも間違っちゃいないと思わせるカリスマ性みたいなのを感じて、実際にあの場にいたら自分は何も考えることなく同調してしまうんだろうなぁって。
そういえば、この作品を見ようと思ったきっかけが内藤君と彩春ちゃんが出るから、って理由なんですよね。19年レミゼでこの二人いいなぁって思って。21年にも出るし。とういう邪な思いがあったのを思い出しました。
内藤フランキーが彩春メアリーにデートに誘っているのがとても可愛かった。まさに恋に恋してって感じで。まさか最後にあんな仕打ちがあるとは……
最初、レオとルシール夫妻を見たときにこの二人はうまくっていないのか?
と感じたのですが、物語が進んでいくと自分に自信がないルシールがレオのために裁判のやり直しをこぎつけたり、とにかくレオを思いやる心に涙しなかないです。
そして This Is Not Over Yet
この曲、どんなタイミングで歌うんだろうかと待ち望んでいました。
この一曲でレオの人生が地獄の底から大逆転して裁判のやり直しと人生が180度変わる歌で、この曲だけが希望にしか思えないです。二人がやっと本当の意味で結ばれて……
このままピクニックで幸せで終わればよかったんです。
しかし最後に衝撃のシーン
あまりの落差にこちらも情緒が追い付かないし、思わず目を閉じてしまう。
そして深いため息
紙吹雪がひどく空虚ですべてを隠してしまう
こんなことが本当に100年前にあったのかと信じられない作品でした。
同調圧力のこわさを感じさせる作品だし、だからこそ観ることができてよかった思います。
個人的に追悼パレードの時に時が止まる?演出で、回転台だけが回っているのとても好きでした。モノローグ、好きです。
ローマの休日@御園座
12/25(金)マチネ
コロナが世の中に蔓延るようになって初めての劇場での観劇でした。
当時の予定表を振り返ってみると、12月中旬にRENTが愛知に来る予定でしたが、中止と記載されていて遠い昔のように感じます。
2020年はミュージカル作品が大渋滞という中で、ほとんどの作品に足を運ぶこと、開催することが難しい中で、御園座にきたローマの休日は最後まで完走できるのか本当に心配でたまらなかったのを覚えています。
この真っ赤な劇場に映えるローマの休日のパネルの美しいこと。この日はクリスマスだったこともあって飛び切りオシャレをして伏見へ
久しぶりの観劇、クリスマス、雪。
とにかくテンションがあがる要因しかない一日の始まり。やっぱり中に入ると身が引き締まる思いでいっぱいです。
この日のキャストはこちら
私の中ではいつも幸せになれないというか、不遇な人生を歩む役が多い気がしたので、こんなにキラキラした素敵な世界で生きられてよかったね……!!という思いしかないです。
個人的にお声がすんごい好きなので終始楽しい時間。
アーヴィングにはオリエンタルラジオの藤森慎吾さん。
この人ミュージカル出るの?マジ?って感じで少し不安だったのですが、彼の軽い感じがとってもぴったりで、すごくバランスの取れた3人だったのでは?って感じです。
この不朽の名作、実は映画見たことがなかったんです。仕事のほうが忙しくて前日くらいに慌てて映画を見させていただきました。
オードリーヘップバーンが本当にかわいくて、前から可愛いとは思っていたけど
とにかく好き!!!!!という思いがあふれて止まらない。
そんな思いの中実際に観劇したのですが、アンサンブルの方がイタリア語喋ってるじゃあないかッ!
何を隠そう、「ジョジョの奇妙な冒険 第5部黄金の風」が死ぬほど好きな漫画である私は、聞きなじみのあるイタリア語が聞こえてきてそれだけで大興奮!一人で席でもだえる始末。
そしてアン王女とジョーがバイクで出かけるシーンは本当に幸せそうで、楽しそうでマスクの中の口がにやけてたまらない……そして真実の口の有名なシーン。
もう好き、かわいいが渋滞している。ギターで追っ手をぶん殴るのも全部好き、かわいらしい。
最後2人は惹かれあいながらも違う道を行くのですが、虹でジョーの言えない思いがとても伝わってきます。それでもアン王女の幸せを願いながら歌い上げる加藤和樹さん。こちらも心臓がとても痛かったです。心に訴えかけてくる歌い方……
アン王女謁見のラストでは、3人にしかわからない思い出を感じさせてくれてありがとう。そんな思いでいっぱいでした。
偽膜性大腸炎に罹った話
普段はミュージカル観たよ〜って話しているだけなんだけど、なんか知らないうちに再発したので他愛のない話を一つ。
そもそも偽膜性大腸炎とは、
腸粘膜に偽膜形成をみる抗菌薬起因性腸炎である。原因は抗菌薬投与により腸内細菌叢が変化し増殖するクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)などの菌毒素である。偽膜性大腸炎 日本救急医学会・医学用語解説集
簡単に言うと腸内の善玉菌と悪玉菌の割合が交代して、悪玉菌が優位になっている状態です。
黒っぽい水溶便と腐った臭いが特徴的です。ネットでは馬小屋臭って見かけましたが、馬小屋知らんし。個人的には卵やニラが腐った強烈な酸性っぽい臭いが印象的でした。
原因としては抗生物質が多いそうで、腸よ鼻よの作者様はトイレの便座から感染したそうです。(免疫力が下がっていると罹るらしい)
ちなみに私は抗生物質のチャンポンか、トイレかどちらかわからないままです。多分、抗生物質が原因だと思うけど……
この偽膜性大腸炎、入院した時の私の場合、高熱がトータルで4週間弱、お腹の調子に気付かずにいたら大腸摘出コースでした。
時期なだけに入院まで長かった
どうして罹患したのか?って話なんですが、マジで全てが悪かったとしか言いようがないです。
年末から仕事が忙しくて休みがあんまりなかったし、年明けから発熱するまで
出張→ディズニー→出勤→観劇→出勤
みたいなスケジュールでした。正直、家でくつろぐ時間はなかったです。嘘。あったけど少なかった。
2020年2月中旬 喉風邪をひく。
年一で喉が枯れるくらいの喉風邪を引くので、当たり前の様にのど飴舐めて放置していました。咳込んだら止まらない〜😢って感じなのが2週間くらい続いていました。コロナが出始めの時期で、少しピリピリしていましたね。
この時初フルマラソンに挑戦中だったので、休日に10キロくらい走る習慣がありました。
2020年3月初旬 また喉が痛くなる。
しばらく放置していたら、耳の奥まで痛くなってきたので、耳鼻咽喉科を受診。耳のそばの扁桃腺がバカみたいに腫れてるから抗生物質とうがい薬出しておくね、と言われて服薬。
数日後、寒気がひどくて仕事終わらせて家に帰ると37.8℃。生活圏でコロナ陽性なんて話を聞いたことがないし、まさかどこかでもらったか?って思い始めました。もしかしたらコロナかもって思ったので、4日ほど様子見して39℃くらいの発熱で、かかりつけ医に受診。その結果は重度の咽頭炎って事で一安心。解熱剤と抗生物質を出されて久しぶりに寝ました。
2020年3月上旬〜中旬 未だに熱下がらず。
この時点で発熱から1週間経っています。ついに実家にヘルプ要請。隣市に住む実家に引き取られて、更に10日間熱が下がらずに寝込む。
この頃から違うクリニックに行って、解熱剤と抗生物質、栄養剤の点滴を受けるようになりました。まともにご飯も食べられない、ペットボトルすら開けられない、一人で歩くことさえできないくらい衰弱していました。移動に車椅子は付きものでした。
体温を記録し始めたのがここら辺です。上がり幅が大きすぎてバグかな?って感じ
クリニックで小さい子が使ったのか、トイレが流れていなくて、流した後に使用。
なんかお腹痛い気がする……と下痢が目立ち始めて、食べていないのにお腹が張り始める。
下痢が臭いんだよね😩
って親に言ってた気がします。
ちなみに保健所に連絡したけど、接触歴も海外渡航もなかったのでPCR検査をしていません。まだまだコロナが広まり始めだったから仕方なし……
2020年3月下旬〜4月初旬 やっと入院
3連休で点滴出来ないのが心配だから、と大きな病院を紹介してもらって、その足で病院へ。
コロナ対応真っ最中なので、完全隔離で救急に回されました。どこが発熱の原因かを探るだけで5時間くらいかかってた気がします。で、CTやら最初は咽頭炎だったから経鼻内視鏡?やらやって、やっと消化器での入院が決定しました。ちなみに入院時には咽頭炎は治りかけでした。
入院した日は休日だったのと、翌平日担当医が外来だったので入院4日目の朝一に大腸内視鏡で、偽膜性大腸炎だと判明。膠原病やらクローン病やら色々疑っていたみたいなので、病名がわかって安心したのを覚えています。
大腸の写真見せてもらったけど、黄色と白のまだら模様だったのしか覚えてないです。先生は、こんな酷いの初めて見たわ!と半笑いでした。
血液検査では炎症数値のCRPが32を超えていたので、軽く死にかけ。噂では40を超えると……らしいけど本当ですかね?あと数日遅かったら大腸摘出の人工肛門だったらしい……意識朦朧としすぎてて記憶があまりないです。
基本的にはバンコマイシンで加療、入院してからも10日ほど熱は続きましたが、16日間で退院しました。部屋が空いていないのと、高熱続きなので他の人に移る可能性があるので完全隔離の個室ブッ込まれて、10日ほど絶食でした。トイレは1日平均で10回ほどです。
意識明瞭になった頃には、志村けんさんがお亡くなりになっていて、世界どうなってんだ?ってくらい驚きました。
で、ここで全部終わったと思いました。
退院する時に、先生に
「若いから偽膜性大腸炎は再発する可能性低いだろうけど、(再発は)あるから気をつけてね。抗生剤飲んで下痢が臭って、熱出たらすぐ来て」
って言われたんですよね……まさかその確率を引き当てるとは思わなかった……
2021年6月 下痢再来
というか、入院してから結構な頻度で下痢になるんですけど今回は違いました。2週間くらいずっと下痢で、たまに血便も添えて、という感じ。
(なんか臭う気がする……?いや、でも抗生剤飲んでないし、なんなら熱もないし、でもなんか腐った臭いすんなぁ……)
と適当ブッこいて発熱です。抗生物質飲んでいないし、再発を考えたくなかったけど病院へ。外来が違う先生で、出してもらった薬が効かなくて、違うの出してもらって、ギリギリ入院を免れたところです。
ヨーグルト、いっぱい食べていたのになぁ……😩
今は絶好調まではいかないけれど、なんとか会社にも行けるレベルに回復しました。偽膜性大腸炎、繰り返すのほんとしんどいから、みんな罹らないように気をつけてください。
私は後数回繰り返すようなら、糞便移植も考えるようにします……
私の知識はネットの海と担当医から少し聞いたくらいなので間違っているかもだから!!!
これは私の場合、ってだけなので!👊
フランケンシュタイン@愛知県芸術劇場
2/15(土) ソワレ
実は3年前の初演、観に行くかものすごく迷った作品でした。結局ミュージカルか〜って思って行かなかったというオチです。
そして3年越しの観劇。なんで行かなかったんだ!!と叱咤したくなりました。それくらい良かった……。
と、ここまで書いたところで体調不良になり、そのまま入院して……コロナ禍が……という流れで何故だか一年経ってしまいました。少々記憶が朧げなところもありますが許してください。
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この日はコロナが猛威を奮いはじめた頃でした。まだ公演中止とかそういう話はなく、とりあえずマスクして体調悪いなら来ないでね、とかそんな時でした。
私が今回座った席は5階席という舞台照明の更に上に位置するような席でした。公演前に5階席の景色!ってアンサンブルのどなたかが写真を上げてくださっていて、ある程度予想していましたが想像を更に超える高さ。そして席ガチャは仕方ないのだけど、前に座った方が大きくて、センターどころか舞台前方がほぼ見えないという悪夢……もうこれは割り切るしかない、安い席を買った自分が悪いと恨みながらの観劇になりました。
しかしながら幕が上がると壮大な音楽と、中川晃教さん演じるビクターの歌唱力、加藤和樹さん演じるアンリ圧倒的な声の深みにノックダウンです。
ビクターの罪を被って斬首刑に処されるアンリがビクターに胸の内を打ち明け、そしてその人生に幕を下ろす。涙が溢れて止まりませんでした。
「一緒に夢見れるなら、死んでも後悔はない」
あんなに綺麗に笑いながら死んでいくのを見ているしかできないのが辛いです……
その後の首を持ち帰るビクターにはだいぶ狂気を感じざるを得なかったのですが。
あとリトルビクターが臣くんでした。当時はレミゼ見てからの〜って思いでしたので、こんなに早くまた会えるなんて!という思いでいっぱいでした。2020年のフランケンシュタインのプロモーションは臣くん始まりでしたね!
この曲の切なさというか、何とも子どもが抱えている暗い思いとか、そういうのを思うと辛いです。
プリンシパルが全員2役やるという話を小耳に挟んでいましたが、みんな全くの正反対で心のバランスを取るために普段より〜〜みたいな話を少し思い出しました。あんな鬱々とした作品続けてたら、はっちゃけたくなるよね。
そしてたびたびTwitterで話題になっていた
【クマオイシイ……】という言葉
全く話の流れが読めなくて、これはもう本編観るしかないだろ!って楽しみにしていたんですが、クマオイシイ、うん。そうだね!って静かに笑ってしまいました。
センターが見えなかった私はこの消化不良感を家に持ち帰りたくなくてDVDを購入したことをご報告いたします。
ちなみにあきかずで見たのでかきこにで買いました。今でも販売しているので、是非どうぞ
ちなみに公演終了後、しばらく経った後でAmazon musicで韓国のフランケンシュタインの音源があると言うことで聴いていました。今は無料配信が終了していますが、また聴きたいですね。
天保十二年のシェイクスピア@日生劇場
2/9(日) ソワレ
なんと15年ぶりの再演だそうで!そして3時間25分の長丁場!!
元々はレミゼで知った丹宗立峰さんが気になって仕方がなくてチケットを取りました。
ナビザの先行先着だったのですが、これが良い席でいい席で。顔を舞台に向ければ端から端までしっかりと目に入り、見切れの不足なくで大満足でございました。
観劇から1ヶ月経っているのでこんなシーンあったのか?っていうくらいあやふやになりつつあるのですがとりあえず書かずにはいられない。
本編前に隊長の前口上がありました。内容的にはコロナが世間を賑わせておりますが、その発生源はタケネズミというものらしいですね……そうネズミといえば歯がお出になっている井上ひさし先生は……みたいな感じで、本作品についてうっすら触れておりました。
あの頃はマスク品薄気味、程度でしたね……まさかこんな事態になるとは思っていなかったです……笑えるうちが華ってやつです……
残念ながら千秋楽を目前にして中止となってしまいましたが、千秋楽となってしまった日の一生さんのお言葉がとても胸に突き刺さりました。
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とにかく冒頭から曲がいい!シェイクスピアがいなかったら〜って語感もいいし、何人英文学者になり損なっただろう的な言葉も好き。とにかく言葉選びがすごい好きです。
始まってからも、三世次やお文、お里が心内で思っていることをこちら側に向かって話す、そういうメタ的なところがすごい舞台と観客は共犯者みたいなのをすごく感じました。まるで小説をそのまま読んでいるみたいに左右対象に、そのまま文字が目の前に映像みたいに飛び込んでくるような構成で楽しかったです。
きじるしの王次、浦井健治さんは実は初見です。非常にカッコ良かったです。登場からして王子、王次だけど、王子。世界がパッと変わるくらいにはカッコ良かったです。お光の唯月ふうかちゃんとイチャイチャしながら笑顔で舞台にいるもんで思わずこちらが心を摑まされそうになりました。
お光のどうしてあなたは王次なの?ってシーンでロミジュリか!ってなりました。よくよくセリフを聞いているとシェイクスピアの作品が散りばめられているんですね。シェイクスピア作品って意外と耳に残っていたりするので、観劇中もデジャヴを感じていましたが腑に落ちました。
やはり見どころの一つとして挙げるならばふうかちゃんの早着替えだと思います。お光とおさちセット裏に入って体感としては30秒もかからずに着替えて出てくるもんだから、一瞬熊谷彩春ちゃんか?って思ってしまうくらいには早かったです。Twitterで見せたいと呟いていらっしゃいましたが、是非見たい……。
お光とおさちが揃って出てくるときは、やはり彩春ちゃんでしたね。前々から思っていたけど可愛い、2人揃うと10倍可愛い。
そしてBlu-ray、DVD化おめでとうございます。一度では足りないと思っていたので朗報でした。
最後、自分の口八丁手八丁で死んでいってしまった亡霊たちと鏡写しになった観客たちに囲まれて苦しむ三世次のシーンは圧巻でした。このシーンをBlu-rayで観たかったです。観客が鏡に写るからこそ映えるシーンだと思ったので。ものすごく気合の入ったカンパニーだと思うのできっと思いもよらない方法で魅せてくれることを期待しています。ただかなり色のシーンはあるし、ミス・サイゴンより過激なので苦手な方は要注意かもしれないです。
最後に、圧巻というか、お気に入りは丁半のシーンです。とにかく丁か半か!と賭場を仕切っている方のお声が好きです、どなただったんだろう……あぁ君の名前も知らない、教えてどうか僕にって感じなので、どうか……
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小波さま
はじめまして、閲覧していただきありがとうございます。
同じ日、同じ時間を共有していたのですね、なんだか不思議な気分になります。思い出が蘇るきっかけになったのならなりよりです。
そして件の彼のお名前を教えていただきありがとうございます。どなたなんだろうとずっと疑問に思っていたので助かりました。ありがとうございました。
伊礼彼方 ミュージカルの軌跡レポ②
前回の続きになります。見ていない方は是非こちらからどうぞ。
複数キャストのメリット、デメリット
メリット
多くの人と共演ができる。
いろんな役者が出るから興行的に数字を伸ばしやすい。キャストに対して観客への需要がある。
デメリット
役に対しての積み重ねができない。
動線が決まっているから自由に芝居ができる余白が少なくて窮屈に感じる。
決められた通りにさえすれば最低限、見せることができるという両面を持ち合わせている。
同役への意識
自分は負けず嫌いだからとても意識してしまう。
芝居を変える。特に芝居に重きを。歌ばかりだと譜面通り歌うだけでオリジナリティーがなくなる。(自分にしかできないもの)
同じ動線を同じものだと感じさせないように。実際レミゼではバルジャンに対して80〜90%は同じ芝居をしたけど、残りはそれぞれに対して違う解決策を持っていた。
いろんな役作りが混ざることに対して面白いと感じている。
特に意識した人は
特にいない
他人が思いつかない人格を作るだけ。相手に対して囲碁や将棋のように何手先まで読むことができるのか常に考えている。
どうして何でもできるのか
逆にいえば中途半端、器用貧乏。
昔からひとつのことを突き詰めることができない。60〜70%はできるけどね、突き抜けてできるものはない。プロにはなれない、けど、ある程度のレベルだからこそ役者としてある程度こなせていると思う。素でいなくていい、(役という)仮面をかぶるほうが向いている。
ただ好きではないものは全くできない。
最近は楽器に興味があるんだけど、楽器を弾きたいんじゃなくて、楽器の構造だったり、仕組みや作られた理由を知りたいってことに気付いた。レミゼや星の王子さまは作曲家が曲に込めた思い(文字や音へのアプローチを)尊重して捉えたいと思いながら演じた。
自分を色に例えると
赤だけど、青に憧れている。
プライベートでも仕事でも常に燃え滾っている。最初は青い炎で冷静にしているんだけど、つい熱が上がって赤い炎になってしまう。
「勝負パンツはいつでも赤ですよ」
観客の雰囲気
愛知(名古屋)は静か、他の劇場では反応があるところも反応がなくて心配になる。ただカーテンコールがどこよりも盛り上がる。ホッとします。
出演契約について
契約書はないところが多い。これは日本特有の信用信頼関係で成り立っているけど、とても危険なことだと思う。
言えば出してくれたりするけれど、基本はないが最近は(書面契約が)増えてきている。契約書は大きい所だと主催側の都合のいい内容が多い。(例えばチケット販売の契約)
また中止になった時の補償は基本的にはあるはず。契約書がない口約束の場合でも。
今回のコロナウイルスの場合、公演分はしっかり支払われるはず。中止の分は払い戻し。おそらく殆どの公演は赤になるでしょう。
ただ、初日を迎える前に全中止になってしまった場合、補償があるとは思うけれどそこは主催側と事務所の関係性によるんじゃないかな、と。
契約を交わすときは、自分─事務所─主催の三者契約を交わしている。何かあったときに幅をきかせるのが事務所なので、強く出れるところ、出れないところで……ってことはある。
以前、小栗旬さんが俳優の組合を発足しようとして潰されてしまったことがあったが、必要なものだから、僕ら若い人たちが変えていかなければならないことだと思う。
エンジニアが決まった時の感想
単純に嬉しかった。
エンジニアやジャベールは40歳を超えてから受けようと思っていたけど、東宝さんが背中を押してくれてオーディションを受けた。すごく感謝している。背中を押してくれたことに対して報いることができたな、と。
エンジニアは初演からずっと立っている市村さんから盗めるものは全部盗むつもりで。先輩たちの演技が見れることが財産だと思う。それらを自分のものにアレンジして、次の時代に活かせるようにしていきたい。
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最後に歌の披露がありました。
アルバム Eleganteより
最後のダンス
Estrellas
エリザベートにまた出たいです。ここにも従順な🐕がいることアピールしてください、みなさん!
とのことでした。伊礼トート見たすぎるのでほんと観たい、どうぞお願いします、小池先生!